ヤマハのYZF-R125、めちゃくちゃカッコいいですよね。Rシリーズの末弟とはいえ、あのルックスを見ると「実際、最高速って何キロ出るの?」って気になるのは当然かなと思います。
私自身、このクラスのバイクが大好きで色々調べるんですが、ネットで「YZF-R125 最高速」と検索すると、情報が結構バラバラで混乱しませんか?オーナーさんのブログや動画では「メーター読みで130km/h超えた!」っていう景気の良い報告もあれば、GPSを使った実測値はもっと低いっていうシビアな話もあって、どれが本当の情報なのか分かりにくいですよね。
特に2023年に待望の日本仕様も正規で登場しましたし、それ以前のモデルに搭載されているVVA(可変バルブ機構)が最高速にどう影響するのか、そして最大のライバルであるスズキ GSX-R125との比較も、購入を考える上ではっきりさせておきたいところです。
また、バイク乗りなら一度は考える「リミッターカットとかカスタム、もしかしてフルパワー化とかで、もっと速くできるの?」なんていうロマンあふれる疑問も湧いてくるかもしれません。
この記事では、YZF-R125の最高速に関するそんな疑問やウワサについて、ネット上の実測データや公式スペックを基に、私なりに「結局のところどうなの?」を徹底的に分析した結果をまとめてみました。
- YZF-R125の「実測」最高速の目安
- メーター表示とGPS実測値の誤差
- ライバル(GSX-R125)との性能比較
- カスタムやフルパワー化で速くなるかの限界
YZF-R125 最高速の「実測値」は?

まず一番気になるのが、「結局、YZF-R125の最高速って実測で何キロなの?」という核心部分ですよね。このバイク、オーナーさんが報告する「メーター上の数値」と、GPSなどで計測した「現実の速度(実測値)」にちょっと無視できない差があるみたいなんです。その理由も含めて、深く掘り下げてみますね。
メーター読みの最高速とGPS実測値
YouTubeや個人のブログなんかを見てると、オーナーさんによるテスト動画で「メーター読みで135km/h出た!」とか、海外のレビューで「85mph(約137km/h)を超えた」っていう報告が結構見つかります。
これだけ見ると「125ccなのにめちゃくちゃ速いじゃないか!」って興奮しますよね。私も最初はそう思いました。
しかし、一方でGPS(衛星測位システム)を使ってより客観的に計測した「実測値」になると、ちょっと話が変わってくるみたいなんです。海外のレビュー媒体などが公表する公称値(理想的な条件下でのメーカー主張値)では、約120km/hから129km/h(75-80mph)とされています。
そして、多くのオーナー検証やレビューを総合すると、GPSでの実測最高速は約120km/h〜125km/hの範囲に収まる、というのがどうやら現実的なラインのようです。メーターの数値とは10km/h以上の差がありますよね。
スピードメーターの誤差は何キロ?
「なんでメーター読みとGPS実測で10km/h以上も差が出るの?故障?」って思いますよね。
これは故障ではなく、バイク(や車)のスピードメーターが、わざと実際の速度より5%〜10%高く表示されるように設計されているからなんです。バイク乗りの間では、俗に「ハッピーメーター」なんて呼ばれたりもしますね。
これは法律で「実際の速度より低く表示してはいけない」というルールがあるため、メーカーが意図的にマージンを持たせている設計なんです。タイヤの摩耗具合や空気圧の変化で外径が変わっても、ライダーが知らないうちにスピード違反をしてしまうリスクを減らすための、法規的な配慮とも言えます。
誤差の計算例
仮に、メーターの誤差が多めの8%だったと仮定してみましょう。
オーナー報告にあった「メーター読み 135km/h」で計算すると…
135km/h ÷ 1.08 ≈ 125km/h
となり、GPS実測値(120〜125km/h)の範囲とピッタリ一致してきます。これが実測値との差の正体ですね。
ノーマルでの最高速は120km/hが妥当
ライバル車種と比べても、この「実測120km/h強」という数値は非常に妥当なラインかなと思います。
というのも、このクラスは欧州のA1ライセンスや日本の原付二種(小型二輪)の規格に合わせて、最高出力が11kW(15PS)に規制されています。この15PSというパワーで出せる速度の物理的な限界が、だいたいこの辺りなんです。
例えば、最大のライバルであるスズキ GSX-R125のGPS実測値も「115km/h、コンディションが良ければ120km/h」と報告されています。また、少し前のモデルですが旧型のホンダ CBR125R(最終型)は、メーター表示ですら110km/hが最高だったという話もあります。
これらの情報からも、YZF-R125が125ccクラスで特別遅いわけでも、飛び抜けて速いわけでもなく、ノーマル状態でのGPS実測最高速は120km/h〜125km/hというのが、最も信頼できる数字かなと思います。
2023年日本仕様と2019年VVA

YZF-R125は、ただ速いだけでなく、モデルイヤーごとに中身がしっかり進化しているのも魅力です。
2019年モデルのVVA搭載
特に大きな技術革新は、2019年モデルから搭載されたVVA(可変バルブ作動システム)ですね。これは、エンジンの回転数(約7,400rpm)に応じて、吸気バルブを動かすカムが「低中速用」と「高速用」の2種類にカチッと切り替わる技術です。
125ccみたいな小排気量エンジンは、最高速(高回転パワー)を求めると、どうしても街中で使う低中速トルクがスカスカになりがちなんですけど、VVAのおかげで「低速トルクの力強さ」と「高回転のパワー」を両立できるようになったんです。
なので、初期型と比べて最高速の「上限」が劇的に上がったというよりは、そこに至るまでの「加速の質」や、向かい風の中でも速度を「維持する能力」が格段にアップしたのが、VVA搭載モデルの最大の強みですね。アシスト&スリッパークラッチも同時に採用されて、操作性も向上しています。
2023年日本仕様の登場
そして2023年、ついに日本仕様が正規販売されました!これは本当に嬉しいニュースでしたね。
この2023年モデルは、デザインが上位モデルのYZF-R7みたいなセンターダクト+モノアイLEDの精悍なフロントフェイスになりました。さらに、スマホと連携できるフルカラーTFTメーターが付いたり、なんと…上位モデルのYZF-R25にすら搭載されていないトラクションコントロールシステム(TCS)まで標準装備になったんです。
最高速自体は15PS(11kW)の規制があるので変わりませんが、ヤマハが「最高速の数値競争」ではなく、「先進装備と所有満足度」という別の軸で125ccクラスの頂点を狙いに来ているのが分かります。まさに「下剋上」な装備ですよね。
最高速を左右するライダーや風の影響
ここで忘ちゃいけないのが、125ccクラスはエンジンパワーが15PSと限られているので、ほんのわずかな条件の違いで最高速がカンタンに変わってしまうということです。
絶対的なパワーが小さいため、空気抵抗や車重の影響をモロに受けるんです。
最高速に影響する主な要因
- ライダーの体重と体格: 重ければ加速が鈍り、体格が大きければ空気抵抗が増えます。
- 風向き: 強烈な追い風なら最高速は伸びますが、逆に向かい風が吹くと100km/h出すのも厳しくなります。
- 路面の勾配: わずかな下り坂でも最高速は伸びますし、登り坂では当然落ちます。
- ライダーの姿勢: 上体を起こしているより、しっかりタンクに伏せて「フルタック」姿勢をとる方が空気抵抗が減り、最高速は数km/h変わります。
例えば、体重が軽くて、強い追い風が吹いている長い下り坂で、しっかり伏せ姿勢をとる…みたいな「奇跡的」な好条件が全部揃えば、メーター読みで130km/h後半も記録できるかもしれません。
ですが、現実的には「いつでも安定して出せる実用的な最高速」は、105km/h〜112km/h程度(65-70mph)という意見もあります。なので、「最大値」と「実用値」は別物と考えておいた方が、購入後のガッカリ感がなくて良いかなと思います。
YZF-R125 最高速のライバル比較

YZF-R125の最高速を考えるうえで、やっぱり気になるのがライバル車との比較ですよね。特にスズキのGSX-R125とは「どっちが速いの?」とよく比べられます。また、「カスタムしたらもっと速くなるの?」という、バイク乗りなら誰もが抱く疑問についても見ていきましょう。
vs GSX-R125との最高速比較
125ccスーパースポーツクラスの最大のライバルといえば、間違いなくスズキ GSX-R125です。
この2台、スペックを比べると非常に面白いんです。
| モデル名 | 最高出力 | 最大トルク | 車両重量 | 主要装備 |
|---|---|---|---|---|
| YZF-R125 (2023) | 15PS / 10,000rpm | 11Nm / 8,000rpm | 141kg | VVA, TCS, A&Sクラッチ, TFTメーター |
| GSX-R125 | 15PS / 10,000rpm | 11Nm / 8,000rpm | 134kg | DOHCエンジン, ABS |
表を見ると分かる通り、最高出力と最大トルクは完全に互角です。しかし、GSX-R125の最大の武器は「車重」。YZF-R125が141kgなのに対し、GSX-R125はクラス最軽量の134kgと、7kgも軽いんです!
じゃあ軽いGSX-R125の方が最高速も速いのか?というと、これがそう単純でもないみたいです。
GSX-R125もオーナー報告ではメーター140km/h出た!なんて威勢の良い話もありますが、GPS実測値はやっぱり115km/h〜120km/hと報告されていて、YZF-R125の推定実測値とほぼ同じなんです。
結論:最高速は同じ、速さの”質”が違う
結局、15PSという馬力の上限がある以上、空気抵抗と戦う「最高速のステージ」では、どのバイクも実測120km/h前後で頭打ちになるんですね。
この2台の差が出るとすれば、そこに至るまでの「過程」です。
- GSX-R125: 7kg軽い車重を活かした、鋭い「加速性能(ゼロ発進)」が有利。
- YZF-R125: VVAによる「中速トルク(再加速)」や、TCSなどの「先進装備による安心感」が有利。
どちらが優れているかではなく、「速さの質」が違う、というのが私の結論です。
GSX-R125について、オーナーが後悔したポイントや維持費などをまとめた記事もありますので、本気で比較検討している方はこちらも参考にしてみてください。
カスタムやリミッターカットの効果
「ノーマルがダメなら、カスタムすればいいじゃない!」ということで、リミッターカットやECU書き換えの効果も気になりますよね。
まず知っておきたいのは、YZF-R125の最高速が伸び悩むのは、意図的な速度リミッター(例: 100km/hで燃料カットが入るなど)が原因というよりは、15PSという「絶対的なパワー不足」と、そのパワーに合わせたギア比における「レブリミッター(エンジンの回転数リミッター)」が原因だということです。
ECU書き換え(ECUフラッシュ)でこのレブリミッターの上限を上げるカスタムもありますが、エンジンが回るようになっても、空気抵抗に打ち勝つパワー(馬力)自体が増えなければ、最高速は上がりません。
海外のフォーラムなどを見ると、ECUチューンで得られるパワーゲインは最大でも2PS(馬力)程度と言われています。もちろんスロットルレスポンスは良くなると思いますが、最高速が10km/hも20km/hも上がる…というのは期待しすぎない方がいいかもしれません。
マフラー交換についても同様で、音や高回転の「フィーリング(伸び感)」は良くなることが多いですが、パワーが劇的に上がるものではありません。むしろ、抜けが良すぎると燃調が狂って、大事な低速トルクがスカスカになって乗りにくくなる可能性もゼロではありません。
カスタムを検討する際は、どんなパーツがあるか、何を犠牲にして何を得るのか、バランスを考えるのが大事ですね。
YZF-R125のフルパワー化は可能か

ECU書き換えやマフラー交換が「フルパワー化」かというと、ちょっと言葉のニュアンスが違いますよね。本当の意味でのフルパワー化、つまり15PSの枠組み自体を破壊するには、エンジン自体に手を入れるしかありません。
YZF-R125は海外(特に東南アジア)では共通エンジンのR15と共に非常に人気があるので、排気量を上げる「ビッグボアキット」というものが存在します。180ccとかにして、25PS以上を狙うような、まさに魔改造です。
これなら物理的にパワーが上がるので最高速も確実に上がりますが…当然、とんでもない代償が伴います。
ビッグボアキットの重大な注意点
- エンジンの耐久性がノーマルとは比較にならないほど大幅に落ちる可能性がある。
- 燃料セッティングなどに莫大なコストと高度な専門知識が必要になる。
- 【最重要】日本では排気量が125ccを超えると「原付二種」ではなくなります。
排気量が変われば、軽二輪(126cc〜)としての登録変更、税金や保険の変更、そして何より「小型限定普通二輪免許」では運転できなくなり、「普通二輪免許」が必要になります。
正直、そこまでやるなら最初からYZF-R25を買った方が、あらゆる面で幸せになれるかな…と私は思います。YZF-R125のフルパワー化は、ロマンはありますが、現実的なカスタムとは言えないですね。
スプロケット交換のリスクとは
「もっと手軽に最高速を上げたい!」と、「スプロケット(スプロケ)交換」を考える人もいるかもしれません。ですが、これは諸刃の剣です。
スプロケ交換は、エンジンのパワーを上げるのではなく、「ギア比(変速比)」を変えるカスタムです。
- 加速重視(ローギアード): リアスプロケットの歯を増やすなど。立ち上がりが鋭くなる代わりに、6速でエンジンが早く吹け切ってしまい、最高速は確実に落ちます。
- 最高速重視(ハイギアード): リアスプロケットの歯を減らすなど。理論上は最高速が伸びますが、15PSの非力なエンジンでは…
後者の「最高速重視」が問題で、15PSの非力なエンジンでは、増大する空気抵抗に打ち勝てず、6速でエンジンが最高出力回転数まで回しきれない…結果的に最高速が逆に下がる、なんてことも十分あり得ます。
実際に海外のオーナーさんで、「スプロケを交換したら最高速が10mph(約16km/h)も落ちた!」という深刻な事例報告もありました。これは恐らく、加速重視にしすぎたパターンですね。
125ccクラスのギア比は、メーカーが血眼になってテストしたノーマルが一番バランスが取れていることが多いので、スプロケ交換は明確な目的がない限り、慎重に検討したほうが良さそうです。
高速道路は走行不可という制約

そして、YZF-R125の購入を検討している人が、性能以前に絶対に知っておかないといけないことがあります。
それは、このバイクが搭載しているエンジンは、ヤマハ発動機公式サイトのスペック表にも明記されている通り、総排気量124ccだということです。つまり、日本の法律上「原付二種(小型自動二輪車)」に分類されます。
原付二種の制約
どんなにスーパースポーツらしい見た目で、120km/h以上出る性能を持っていたとしても、YZF-R125は高速道路および多くの自動車専用道路を走行することができません。
これは125ccクラス共通の大きな制約です。購入後に「えっ、高速乗れないの!?」と後悔しないよう、この点は絶対に理解しておく必要があります。長距離ツーリングに行くときは、ルートが一般道だけに限定されてしまいます。
一般道での巡航性能と加速感
「高速道路は走れない」と聞くとガッカリするかもしれませんが、YZF-R125の本当の楽しさは、その制約の中、つまり一般道にこそあると私は思います。
一般道の法定速度は基本的に60km/hですし、流れの速い国道バイパスなどでの80km/h巡航もVVAによる中速トルクのおかげで余裕でこなせます。パワー不足でヒヤヒヤするような場面はほとんどありません。
このバイクの真骨頂は、ストレートの絶対的な速さよりも、Rシリーズ直系の本格的なデルタボックスフレームとアグレッシブなライディングポジションがもたらす「コーナリングの楽しさ」や、15PSのパワーを「高回転までキッチリ回しきる楽しさ」にあるんです。
大排気量バイクだと60km/hなんて退屈な速度ですが、YZF-R125なら、その速度域でもエンジンを回し、積極的に操ることで、十分に「スポーツしてる感」が味わえる。これこそが125ccスポーツの醍醐味ですね。
ただ、一点だけ注意したいのが「追い越し加速」です。一般道で流れをリードしているトラックなどを70km/h以上の速度域から追い越そうとする場合、その加速力は、やはり250ccクラスとは比較になりません。自分が「加速してる!」と思っていても、実際の速度上昇はゆっくりなので、追い越しをかける時は対向車との距離や後続車に十分注意が必要ですね。常に「自分は15PSなんだ」という自覚を持った慎重な運転が求められます。
YZF-R125 最高速の総合評価
最後に、YZF-R125の最高速パフォーマンスに関する調査結果について、私なりの結論をまとめます。
YZF-R125 最高速のまとめ
- ノーマルでのGPS実測最高速は、約120km/h〜125km/hが現実的なライン。
- メーター読みの135km/hといった数値は、意図的に5%〜10%高く表示される「ハッピーメーター」によるもの。
- 最高速の上限は15PSという馬力で決まるため、ライバルのGSX-R125と比べても絶対値はほぼ同じ。
- YZF-R125の真の強みは、最高速の「数値」ではなく、VVAによる全域での加速の質と、TCSなどの上位モデルを超える先進装備、そして所有満足度にある。
- ECU書き換えやマフラー交換で最高速が劇的に上がることは期待しにくい。フルパワー化(ボアアップ)は法規上の問題があり非現実的。
- 高速道路は走行できないという絶対的な制約があるが、その分、一般道でのスポーツ走行の楽しさはピカイチ。
YZF-R125は、最高速の「数字」だけを追い求めるバイクではなく、「125cc/原付二種」という枠の中で、スポーツライディングの楽しさ、操る喜び、そしてRシリーズを所有する満足感を最大限に味わうための、非常に贅沢なバイクなんだと私は思います。
この記事の情報は、あくまでネット上のデータや私個人の見解をまとめたものです。カスタムや車両の購入に関しては、安全に関わることでもありますので、信頼できるバイクショップや専門家にご相談の上、最終的な判断をしてくださいね。