「スーパーカブのカスタムコンプリート販売」って検索してみたものの、いざ探してみると「一体どこで買えるの?」ってなりませんか。プロが仕上げたカッコいいスーパーカブ、憧れますよね。
ネットで画像を見れば見るほど、「こんなカブに乗りたい!」って気持ちが高まる一方、じゃあ、このカッコいいカブはどこで売ってるんだ?という疑問にぶつかります。
でも、カスタムコンプリートと言っても、ショップによってスタイルは様々。人気のボバースタイルもあれば、ワイルドなチョッパーもあります。有名なのは群馬の有名ショップさんだったり、遠くタイのK-SPEED製カスタムだったり…選択肢が広すぎて、どこに相談すればいいのか迷うかも。
そして、何より気になるのは、やっぱり価格相場ですよね。ヤフオクなんかで驚くほど安く出ている車両も見かけますが、あれって本当に大丈夫なんでしょうか。もしかして違法改造だったり、保安基準を満たしていないウインカーが付いていたり…なんて不安もよぎります。
あと、カブカスタムの老舗、東京堂さんみたいなお店は、パーツ販売がメインなのか、完成車も売ってるのか、その違いも分かりにくくて混乱しがちです。
この記事では、そんなスーパーカブのカスタムコンプリート販売に関するあらゆる疑問をスッキリ解決していきます。購入の基礎知識から優良ショップの見分け方、避けては通れない法律のことまで、一緒にじっくりチェックしていきましょう。
- カスタムコンプリートの定義と価格帯
- 代表的なカスタムスタイル(ボバーなど)
- 信頼できる優良ショップとパーツ専門店の違い
- 購入前に必須の保安基準(合法カスタム)の知識
スーパーカブのカスタムコンプリート販売 基礎知識
まずは「カスタムコンプリート」という言葉が、具体的に何を指しているのか、その基本的なところから押さえておきましょう。よく混同されがちな「中古カスタム」との違いや、気になる価格帯、そして人気のスタイルについて詳しくまとめてみますね。
カスタムコンプリートとは?中古との違い

まず大前提として押さえておきたいのが、「カスタムコンプリート」と「中古カスタム車両」は、似ているようで全く別物だということです。
「カスタムコンプリート」とは、GARAGE521さんのようなプロのカスタムショップが、新車または良質な中古車をベース車両として、一貫したデザインテーマ(例えば「ボバー」や「チョッパー」)に沿って、ゼロから改造・製作した「完成車」を指します。いわば、そのショップの技術とセンスが詰まった「作品」であり、ショップの「ブランド」を背負ったモデルなんですね。
一方、GooBikeやヤフオクなんかでよく見かける「中古カスタム車両」は、基本的に前オーナーさんの好みによって、個別に改造された「一点物」です。もちろん、センス良く仕上がった掘り出し物もあるかもしれませんが、品質や合法性については、その車両次第。ここに大きな違いがあります。
| 項目 | カスタムコンプリート(専門店) | 中古カスタム車両(個人売買など) |
|---|---|---|
| 品質 | プロの技術で一貫性がある。ショップの「作品」としてのクオリティ。 | バラツキが非常に大きい(前オーナーの技術やセンス、メンテ次第)。 |
| 合法性 | 保安基準に適合した状態での納車が期待できる(信頼できるショップの場合)。 | 不明(違法改造状態のリスクあり)。購入者の自己責任。 |
| 価格 | 高め(車両代+パーツ代+技術料・デザイン料)。 | 安価な傾向(カスタム価値が評価されにくい)。 |
| 納期 | 受注生産が多いため、数ヶ月単位の製作期間が必要な場合も。 | 現物が存在するため、契約が済めば比較的早い。 |
| 保証 | ショップ独自の保証が付く場合がある。 | 「現状販売」が基本で、保証は無いことが多い。 |
どちらが良いというより、「プロ品質で保証も期待できる完成品が欲しい」のか、「リスクはあっても、安価な一点物を探したい」のか、ご自身の目的によって、選ぶべきものが全く変わってくるかなと思います。
ベース車両の違い(新車 vs 中古車)
コンプリート車両の価格や特性は、ベースが新車か中古車かでも変わってきます。
- 新車ベース: エンジンやフレームの信頼性が抜群に高く、最新のFI(フューエルインジェクション)モデルで法規制にも完全対応しているのが強みです。ただし、ベース車両価格が高いので、総額も高くなります。
- 中古車ベース: 総額を抑えられる可能性があります。また、カブ90(HA02)のような現行にはない旧型エンジンモデルを選べるため、ヴィンテージ感を追求するカスタムでは積極的に選ばれます。ショップの得意分野(例:旧車専門)が色濃く出るところですね。
カスタムコンプリートの価格相場
やっぱり一番気になるのは「じゃあ、いくらで買えるの?」ってところですよね。これも、どのレベルの車両を選ぶかで、ざっくり3つの価格帯に分かれる印象です。ご自身の予算と照らし合わせてみてください。
高価格帯(70万円~130万円超)

これはもう、専門ショップが手掛ける「作品」としての領域です。まさに「夢の1台」ですね。
例えば、群馬のGARAGE521さんが製作するボバースタイルのフラッグシップモデル「STYLO」は、50ccのベース車両込みで72万円(税別)からだそうです。さらに、タイのK-SPEED製フルカスタムモデルとなると、日本での実勢価格は130万円を超えるものも存在します。
高価格帯の価格構成
この価格には、単なる車両代やパーツ代だけでなく、以下のような要素がすべて含まれています。
- ベース車両代(新車または良質な中古車)
- 高品質なカスタムパーツ代
- ワンオフ(一点物)パーツの製作費
- ビルダー(製作者)の高度な製作技術料(工賃)
- ショップ独自の優れたデザイン料
まさに、そのショップの技術とブランドを買う、というイメージです。スタイルと走行性能を両立させるため、ボアアップなどが追加されれば、さらにコストがかかる場合もあります。
中価格帯(15万円~30万円)
GooBikeなどの中古車情報サイトで、バイク販売店(ディーラー)が取り扱っている、カスタム済みの中古車両がこの価格帯にあたります。
カスタム内容としては、「オールペイント(全塗装)」「カスタムシートへの交換」「インナーカゴ装着」「LED/HID装備」といった、比較的ライトなカスタムが中心です。
この価格帯の最大のメリットは、販売店による納車前整備や、中古車保証(期間は店舗によりますが)が付帯する可能性があること。ヤフオクなどの個人売買と比べて、「安心して乗り出せる」という点が大きな強みです。
中古バイクの選び方に不安がある方は、まずこうした販売店の車両から見てみるのも良いかもしれませんね。
低価格帯(7万円~15万円)
ヤフーオークションなどの個人間取引(CtoC)で見かけることが多い価格帯です。過去の落札相場を調べてみると、スーパーカブ50のカスタム車が69,000円、スーパーカブ90のカスタム車が92,000円~120,000円といった事例が見つかります。
ただし、この価格帯の車両に手を出すには、相応のリスクと覚悟が必要です。
低価格帯(オークション)の重大なリスク
この価格帯は、カスタムの価値がプラス査定されているというより、単に「古い中古車」以下の価値で取引されています。
- 現状販売が基本: 「レストアベース車」と明記されていることも多く、購入後に公道を走るためには修理や部品交換が前提となる場合があります。
- 合法性のリスク: 第6章で詳しく解説する保安基準に適合していない「違法改造」車両である可能性が最も高い価格帯です。
安さに惹かれて飛びつくと、購入後の修理費や違法パーツの交換費用(合法化コスト)が、車両価格をあっさり上回る…なんてことも。かなりの知識と整備スキル、そしてリスクを許容できる覚悟がいる、上級者向けの選択肢ですね。
人気のボバースタイル徹底解剖

スーパーカブのカスタムで今、すごく人気があるのが「ボバー(Bobber)」スタイルです。本当にかっこいいですよね。
もともとは1940年代~50年代、戦後のアメリカで流行したダートトラックレーサーが起源とされています。特徴は「余計なものを削ぎ落とす」という引き算の美学。具体的にはこんな感じです。
- 前後フェンダーを短く切り詰める(”Bobbed”=ボブカットが語源とも)
- GARAGE521さんの「STYLO」のように、Firestoneなどに代表される太いタイヤ(ファットタイヤ)を履かせる
- 一人乗り専用のソロシート
- 全体的に低く構えたシルエット
スーパーカブの持つ元々のレトロな雰囲気と、ボバーの持つ無骨でヴィンテージな雰囲気が絶妙にマッチして、独特の存在感を放ちます。
ただ、デザイン重視で太いタイヤを装着すると、ノーマルエンジン(特に50cc)のままでは、走行抵抗が増えてパワー不足を感じることも多いようです。そのため、専門店ではスタイルと実用性を両立させるために、75ccや110ccへのボアアップもセットで推奨されることが多いみたいですね。
他にもある!カブカスタムの主要スタイル
ボバー以外にも、カブカスタムには魅力的なスタイルがたくさんあります。チョッパー (Chopper) フレームを加工(Chopped)し、フロントフォークを長く伸ばしたワイルドなスタイル。リジットフレームやシーシーバーが特徴的です。 スクランブラー (Scrambler) オフロードテイストを取り入れたスタイル。ブロックタイヤ、アップマフラー、アップハンドルが定番です。 クラシック / ストリート (Street Cub) 純正のレトロ感を活かしつつ、タックロールシートやキャブトンマフラー、ストレートハンドルで「おしゃれ」に仕上げるスタイル。最も汎用性が高いかも。 カフェレーサー (Cafe Racer) カブでは珍しいですが、セパレートハンドルやロケットカウルでレーシーに仕上げるスタイルです。
ご自身の「こんなカブに乗りたい!」というイメージが、どのスタイルに近いか考えてみると、ショップ選び(第3章)もスムーズになるかなと思います。
ヤフオクで探すリスクとは

先ほどの価格相場のところでも少し触れましたが、ヤフオクなどのオークションや個人売買でカスタムカブを探すのは、正直、バイク初心者の方にはあまりおすすめできません。
最大の理由は、車両の状態が全く保証されておらず、すべての判断と責任を購入者が負う必要があるからです。
価格が安いのは確かに魅力的ですが、その裏には以下のような大きなリスクが常に潜んでいます。
オークション・個人売買の3大リスク
- 違法改造のリスク マフラーの音量が大きすぎたり(バッフル抜き)、ウインカーが小さすぎたり(Eマーク無し)、ナンバーが跳ね上げられていたりと、保安基準に適合していない状態の可能性が非常に高いです。知らずに乗っていると、警察に整備不良で検挙されてしまいます。
- 隠れた不具合(機関・電装系)のリスク 写真はキレイに撮れますが、エンジン内部の消耗(オイル漏れ、異音など)や、カスタムによる電装系のトラブル(配線がぐちゃぐちゃ、ウインカーが点かないなど)は、現車確認でも見抜くのが困難です。「現状販売」は、基本的に購入後のノークレーム・ノーリターンが鉄則です。
- 「要レストア」のリスク 「レストアベース」や「部品取り車」と明記されている車両は、そもそも公道を走るために大規模な修理や部品交換が必要です。安価に「ベース車両」を手に入れる手段としては有効ですが、「完成車」として即乗ることを期待すると、まず不可能です。
結果として、「安物買いの銭失い」になる可能性が一番高いのがこの選択肢です。自分でバイクをイチから整備できる上級者向けの「ベース車両」探しと割り切ったほうが、精神衛生的にも良いかなと、私は思います。
スーパーカブのカスタムコンプリート販売 優良ショップ

じゃあ、一体どこで買えば安心なの?と思いますよね。ここでは、カスタムコンプリート車両を「販売している」ショップさんを、その特徴やビジネスモデルごとに分類してみました。意外な「落とし穴」もあるので、要チェックです。
全国のカスタムショップ一覧
ひとくちに「カスタムショップ」と言っても、実はビジネスの形態がいくつかあります。私が調べた限りだと、大きく3つのタイプに分けられそうです。これを知っておくだけで、無駄足を踏むことが減ると思います。
| タイプ | 特徴 | 代表的なショップ例 |
|---|---|---|
| ①専門店(Tier 1) | オリジナルの「製品」としてコンプリートモデルを開発・販売。高品質・高価格。ブランド力がある。 | GARAGE521(群馬)、K-SPEED(タイ・輸入) |
| ②相談店(Tier 2) | 決まったモデルはなく、顧客と相談しながら「オンリーワン」を製作(オーダーメイド)。得意分野が明確なことが多い。 | オーケーオート(愛知)、四ツ葉モーターサイクル(愛知) |
| ③パーツ店(Tier 0) | 完成車は売っていない。あくまでカスタム「パーツ」の販売を主軸とする専門店。 | 東京堂目白店(東京) |
特に注意したいのが③のパーツ店です。「スーパー カブ カスタム」で検索すると、パーツの品揃えが豊富なため上位に出てくることが多いんですが、「完成車が欲しい」と思ってアクセスしても、売っているのはパーツだけ…という、検索意図とのすれ違いが起きやすいんです。
私たちが探している「カスタムコンプリート販売」を行っているのは、①の専門店、または②の相談店ということになります。この2つのどちらが自分に合っているか、さらに詳しく見ていきましょう。
群馬の有名専門店GARAGE521
スーパーカブのカスタムコンプリート販売を語る上で、群馬県太田市にある「GARAGE521(ガレージ521)」さんは、まず間違いなく外せない存在だと思います。
ここはまさに、先ほどの分類でいう「Tier 1(専門店)」の代表格です。オリジナルのコンプリートモデルを「製品」として開発・ラインナップしています。
- フラッグシップモデル「STYLO」: 王道のボバースタイル。公式サイトに50ccベース車両込みで72万円(税別)~と価格が明示されているのが、非常に安心感がありますね。
- 多様なスタイル: 「STYLO」の他にも、「Frisco Cub(フリスコ)」や「ゴロツキチョッパー」など、多様なスタイルのコンプリートモデルを持っています。
- オーダーメイドもOK: 決まったラインナップだけでなく、顧客の要望に応じた「オーダーメイドのフルカスタム」の両方を手掛けているのが強みです。
遠方からの購入についても、陸送方法の相談が可能とのことなので、群馬が遠い…という人でも安心ですね。「プロが仕上げた間違いない一台」「ショップのブランドごと手に入れたい」という人にとっては、最有力候補になるショップさんかなと思います。
タイのK-SPEED製カスタム
もうひとつ、世界的に非常に有名なのが、タイを拠点とするカスタムビルダー「K-SPEED(ケースピード)」です。
ここのカスタムは、もはや純正スーパーカブの面影がほとんど残らないくらい、超ハイレベルなフルカスタムが特徴です。ディオ系のエンジンをスワップ(載せ替え)したり、ディッシュホイールや極太タイヤ、外装もほぼ全てオリジナルで、60年代のカスタムバイクみたいな、ものすごいオーラを放っています。
日本にもそのコンプリート車両が輸入・販売されていて、実勢価格はなんと130万円以上…。一時期「305万円」という情報もネットで出回ったみたいですが、これはカブ以外の車両情報が混在した可能性が高く、カブカスタムの実勢価格としては130万円台~というのが現実的なようです。
もはや「カブ」というジャンルを超えた「K-SPEED作品」という感じですね。予算に糸目をつけず、誰とも被らない究極の一台を求める人向けの、ハイエンド・ブランドだと思います。
東京堂はパーツ販売のみ
ここで、先ほども触れた「検索ユーザーの落とし穴」について、改めて強調させてください。カブ好きなら誰もが知っている、あるいは検索すれば必ず目にする老舗「東京堂目白店」さん。
「スーパー カブ カスタム」関連で検索すると、その豊富なパーツラインナップから必ずと言っていいほど上位にヒットします。ですが、ここは「パーツ」の専門店です。
注意:完成車は販売していません
東京堂目白店さんは、シート、キャリア、マフラー、サスペンションなど、カブをカスタムするための膨大な種類のカスタムパーツを取り扱っていますが、カスタム済みの「完成車」や「車両本体」を販売しているわけではありません。(※私が調査した2025年11月時点の情報です)
ここは、「自分でカスタムを楽しみたい人」や、「カスタムショップがパーツを仕入れるための場所」と理解するのが正確です。完成車を探している方は、間違えないように注意しましょう!
購入前に知るべき保安基準
さて、ショップ選びと並んで(いや、人によってはそれ以上に)大事なのが、「そのカスタム、合法ですか?」という法律の問題です。
特に中古カスタム車両を買うときに重要になるのが、「道路運送車両の保安基準」です。これに適合していない車両(=整備不良車)で公道を走行した場合、厳しいペナルティが科されます。
- 違反点数: 2点
- 反則金: 6,000円(原付一種・二種の場合)
(出典:警視庁「反則行為の種別及び反則金一覧表」)
…と、かなり手痛いペナルティがあります。それ以前に、整備不良のバイクは単純に危険ですよね。特にチェックすべきは、マフラー(騒音)、ナンバープレート(表示方法)、灯火類(ウインカー、テールランプ)の3点です。
例えばマフラー。スタイル重視で抜けの良いマフラーも多いですが、騒音基準値(例えば平成22年4月1日以降生産の50ccなら84dB(A)以下)を超えているとアウトです。JMCA(全国二輪車用品連合会)などの認証を受けていないマフラーは、特に注意が必要ですね。
違法改造とならないウインカー基準
保安基準の中でも、特にカスタムで抵触(違反)しやすいのが「ウインカー(方向指示器)」です。
カブカスタムでは、見た目をスッキリさせるために、米粒みたいに小さなウインカー(いわゆる「ブレットウインカー」や「マイクロウインカー」)に変えたくなりますよね。私もその気持ち、すごく分かります。
でも、ウインカーには安全のために細かいルールがたくさんあります。
- 色: 橙色(オレンジ)であること。
- 点滅: 毎分60回~120回の間で、一定の周期で点滅すること。(早すぎたり遅すぎたりはNG)
- 面積: 照明部の面積が7平方cm以上であること。(だいたい500円玉くらいの大きさ)
- 取付位置:
- フロント:左右の発光面の内側同士が240mm以上離れていること。
- リア:左右の発光面の中心が150mm以上離れていること。
「えっ、7平方cm以上って…あのカッコいい米粒ウインカーは全部ダメじゃん!」って思いますよね。
でも、安心してください。これには重要な例外があります。
合法な「小さいウインカー」の切り札!「Eマーク」
実は、この面積基準(7平方cm以上)には重要な例外規定があります。
ウインカー本体(レンズやボディのどこか)に国際的な基準(ECE規則)に適合していることを示す「Eマーク」(丸で囲まれたEと数字)が刻印されている製品であれば、面積が7平方cm未満の小型なものでも、保安基準適合品として認められるんです!
これ、合法的に「スッキリした(ミニマルな)カスタム」を実現するための、まさに「鍵」になる知識です。コンプリート車両を評価する際、使用されている小型ウインカーにこのEマークがしっかり刻印されているか否かは、そのショップの品質と法律への理解度を測るバロメーターにもなりますね。
違法改造とならないナンバープレート基準
ウインカーと並んで、カスタムでやりがちなのが「ナンバープレート」の表示方法です。
特に2021年10月1日以降、ナンバープレート(自動車登録番号標)の表示基準が非常に厳格化されました。これにより、それまでグレーゾーン(?)だったり、人気だったりしたスタイルの多くが、明確に違法(アウト)になっています。
これは全部NG!違法なナンバー表示例(2021年10月~)
- ナンバープレートカバーの装着(無色透明であっても禁止)
- ナンバープレートの回転(縦向きなど)
- ナンバープレートの折り返し
- フレームやボルトカバーが文字や数字にかかること
- サイドマウント(ナンバーを車体の横(側面)に取り付ける)
- 過度な跳ね上げ(フェンダーレス化に伴い、角度が基準を超える)
(出典:国土交通省「ナンバープレートの表示に係る新基準について」)
角度も厳密に定められ、「上向き40°~ 下向き15°」の範囲に収めないといけません。
中古カスタム車を購入する際は、このナンバープレートの角度と、ウインカーの「Eマーク」の有無は、ご自身の目で最低限チェックしたほうが絶対に良いです。もし違法状態だったら、公道を走る前に直す必要があり、余計な出費になってしまいますからね。
免責事項:必ず専門家にご確認ください
この記事で紹介している保安基準の情報は、読者の理解を助けるための概要です。バイクの年式や排気量によって、適用される基準が細かく異なる場合があります。
カスタムや車両購入の際は、その車両が本当に保安基準に適合しているか、必ず購入店のスタッフさんや、陸運局などの専門機関に最新の正確な情報を確認するようにしてくださいね。
最適なスーパーカブのカスタムコンプリート販売店の探し方

ここまで、スーパーカブのカスタムコンプリート販売について、基礎知識からショップ、そして避けては通れない保安基準まで、かなり詳しく見てきました。
結局のところ、あなたにとって最適な一台を見つけるには、ご自身の「予算」「品質への要求」「リスク許容度」の3つの軸をハッキリさせることが、一番大事かなと思います。
最後に、タイプ別のおすすめの探し方をまとめておきます。
タイプ別・おすすめの探し方まとめA. 価格と品質を最重要視する(予算目安:70万円~)推奨: GARAGE521さんのような【Tier 1】専門店のコンプリートモデルを購入する。
理由: 価格は最も高額ですが、プロによる品質、合法性、スタイルの一貫性が最も保証されています。遠方からでも陸送対応で入手可能です。B. 「オンリーワン」と「価格」を両立したい(予算目安:~50万円)推奨: オーケーオートさんのような【Tier 2】相談店で、中古車ベースのオーダーメイド製作を相談する。
理由: 予算内で「可愛く、かっこよく」 といった要望に応え、世界に一台の車両を製作してくれる可能性があります。ただし、ベース車両の程度やカスタム内容によって総額は大きく変動します。C. 安価に「雰囲気」を楽しみたい(予算目安:~25万円)推奨: GooBikeなどの中古車ディーラー販売のカスタム車両を探す。
理由: 保証や整備が期待できる販売店から、オールペンやシート交換といったライトカスタム車両を探すのが現実的です。購入時には第6章の保安基準チェックリストの活用が必須です。D. リスク覚悟で「宝探し」をしたい(予算目安:~12万円)推奨: ヤフオクなどのオークション車両(個人売買)に入札する。
理由: 最も安価に車両を入手できる可能性があります。ただし、違法改造、整備不良、要レストアであるリスクを許容できる「上級者向け」の選択肢です。購入後の修理費や合法化のための費用が、車両価格を超える可能性を常に覚悟する必要があります。
アフターサービスと保証の注意点
最後に、購入後の維持管理についても触れておきます。
大前提として、エンジンやフレームに手を加える「カスタム(改造)」を行った時点で、ホンダ(本田技研工業)による車両メーカー保証は失効します。
購入後の保証は、販売店が独自に設定する「ショップ保証」に依存することになりますが、フルカスタム車両にどこまで保証が適用されるかは、本当にケースバイケースです。
また、GARAGE521さんが「カスタムバイクとなりますので、定期的な増し締めや点検等は行っていただく必要がございます」と明記している通り、ワンオフパーツや社外品の組み合わせは、ノーマル車両よりも振動によるボルトの緩みなどが起きやすい傾向があります。
カスタムコンプリート車両の購入は「買って終わり」ではなく、「そのショップとの長期的な付き合いが始まる」と認識するのが、一番正しい心構えかもしれませんね。
ぜひご自身のスタイルと予算に合った、最高の一台を見つけてください!